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COLUMN琉球アーバンホーム コラム

2020.06.22注文住宅

沖縄で戸建てを旅館へ転用投資☆許可に不可避な消防法

消防法はクリア
沖縄では、戸建ての家で旅館業を営む投資法が、ちょっとしたブームになっていますよね。
 
2018年にホテルと旅館業が統合され、旅館業法が改正緩和されたことで、今まで「民泊」のカテゴリーにあった、戸建て貸切旅館も、旅館業法をクリアできるようになりました。
 
旅館業法をクリアして許可が下りることで、さまざまなメリットがありますが、そのためには「消防法」と「建築基準法」は不可避です。
 
そこで今日は、沖縄で戸建て貸切旅館投資では、避けることのできない2つの法のうち、まずは消防法についてお伝えします。
 

 

沖縄で戸建てを旅館へ転用投資☆
許可に不可避な消防法

 

必要のないケース


必要のないケース
最初に、今沖縄では戸建て貸切旅館を営む投資法がブームになっていますが、もともとは民泊ブームがありました。
 
旅館業法の改正緩和と同じタイミングの、2018年6月に民泊新法が施行され、沖縄では多くの戸建て貸切旅館オーナーが、旅館業法への許可申請を検討し始めた流れがあります。
 
ただ消防法の観点から見てみると、民泊も旅館も同じなので、同じ要件をクリアしなければなりません。
 

【 沖縄で戸建て旅館を営む投資術☆消防法:民泊の場合 】
 
☆ ただし民泊はオーナー在宅でも、家の一室を利用して旅行客を受け入れることが可能ですよね。この場合、下記の要件に該当している物件であれば、一般住宅とされるため、旅館への用途変更(に伴う消防署の点検)を行う必要はありません。
 
住まいの一部分を利用して営業している。
・利用スペースの床面積が50㎡よりも小さい。
・日常、住まいとして利用しているスペースよりも、営業スペースが小さい

 

…ただし、この要件を満たす物件となれば、旅館業としてはクリアしないため、民泊扱いになります。
 
民泊の場合には営業日数が年間180日以下と、営業日数に上限があるため、回収利率が著しく低くなりますので、旅館業へ転向する方法がより本格的です。
 

 

自動火災報知設備のコストを減らす


自動火災報知設備のコストを減らす
旅館業の許可を得るためには、「消防法」と「建築基準法」をクリアしなければならないことは、冒頭でお伝えしましたが、ここで大きなポイントが「自動火災報知設備」です。
 
「自動火災報知設備」とは、名前の通り「自動的(自動)に、火災の発生を(火災)知らせる(報知)設備」を指しています。
 
今回は正確に「自動火災報知設備」とお伝えしていますが、現場では「自火報(じかほう)」や「自火報設備(じかほうせつび)」などと呼ばれているのではないでしょうか。
 
アパートなどに住んでいると、定期的に動作確認の作業員の方がやってくることがありますよね。上の画像が自動火災報知設備の発信器、下の画像は天井によくある感知器です。
感知器
 
消防法をクリアするためには、この設備が不可欠なのですが、個人が戸建ての家に準備をするには、少しコストが掛かりすぎると、躊躇する声も多く聞こえます。そこで注目したいのが「特定小規模自動火災探知器」です。
 

【 沖縄で戸建て旅館を営む投資術☆自動火災報知設備 】
 
☆ ただし、「指定された要件を満たした」物件であれば、「特定小規模自動火災探知器」の設備でクリアできます。
 
《 自動火災報知設備のコスト一例(300㎡) 》
 
・ 27台設置+配線工事+登録料7万円=157万円
 
《 特定小規模自動火災探知器のコスト一例(300㎡) 》
 
・ 15台設置+施工費用+登録料7万円=40万円

 

自動火災報知設備は、天井などにあり煙や熱を探知する「感知器」と、感知器の情報を受信し処理する「受信機」、サイレン音などを鳴らして火災を建物内にいる人々へ知らせる「発信器」の3つから成っている機器です。
 
この3つの機器は配線で繋げる必要があるので、自動火災報知設備を導入するとなれば、配線工事が不可欠なので、それなりのコストが掛かります。
 
一方、特定小規模自動火災探知器の場合には、それぞれが無線で繋がっているため、設置工事のみで特別な配線工事は必要ありません。
 

 

「特定小規模自動火災探知器」で良い物件とは


「特定小規模自動火災探知器」で良い物件とは
けれども、だからと言ってどの建物でも「特定小型自動火災探知器」では、危険ですよね。「特定小規模」とあるだけに、今回のテーマである戸建て貸切旅館のような、小さい物件に当てはまります。
 

【 沖縄で戸建て旅館を営む投資術☆特定小規模自動火災探知器 】
 
★ 具体的には、下記の2つの要件を満たさなければなりません。
 
① 建物の延べ床面積が300㎡未満の物件
 
…一般的な4人~5人家族のファミリー層を対象にした一戸建てであれば、150㎡前後(約38坪)です。300㎡ともなれば約91坪ですから、対象世帯数は10人~11人ほどとなり、相当大きな物件と言えます。
 

② 「特定一階段等防火対象物」に当たらない
 
3階建て以上で、階段が1つだけの物件は「特定一階段等防火対象物」に当たり、延べ床面積300㎡以上の物件と同じ扱いです。

 

ここで特に注意したいポイントとして、「避難のために利用できる階段」を指していますので、外階段で判断する点を意識してください。
 
つまり、仮に内階段と合わせて2つ以上の階段がある物件でも、外階段が1つだけであるなら、それは「特定一階段等防火対象物」に当たり、特定小規模自動火災探知器ではなく、コストが掛かる自動火災報知設備を設置しなければなりません。
 

 

誘導灯と火災通報装置


誘導灯と火災通報装置
消防法をクリアするためには、この他にも「誘導灯」「火災通報装置」、そして避難器具の準備が必要になりますが、物件によっては必要がないものも多いです。
 
沖縄で戸建てを旅館へ転用投資しようと考えている場合には、営むエリアの消防署によって少しずつ決まり事が変わるケースもあるので、一度所轄の消防署に確認を取ってみることをおすすめします。
 

【 沖縄で戸建て旅館を営む投資術☆誘導灯と火災通報装置 】
 
① 誘導灯 … 商業施設などでは必ず見る、「非常口」のライトが誘導灯です。ただ戸建てほどの小規模では、ステッカーでクリアできる物件が多くあります。
 
② 火災通報装置 … こちらも営業するスペースの延べ床面積が500㎡以上のケースで設置義務がありますから、戸建てを利用する場合には、必要ない物件が多いです。

 

特に家の一部を旅行者に貸し出す「民泊」事業の場合には、その家の延べ床面積ではなく、民泊として営業をしているスペースの広さで判断しますので、注意をしてください。
 

 

避難器具は所轄の消防署に確認


避難器具は所轄の消防署に確認
「避難器具」にはさまざまな種類がありますが、物件や営業内容によって必要になってくる避難器具が違います。
 

【 沖縄で戸建て旅館を営む投資術☆避難器具 】
 
★ 旅館を営む物件の大きさやスペースの広さの他、飲食サービスを提供するのかどうか、施設内のコンビニの有無などがチェックポイントです。
 
・滑り台
・避難用タラップ
・避難はしご
・救助袋
・避難ロープ

 

…などなど、他にもさまざまな避難機器がありますので、物件の設計図事業計画を準備して、まずは所轄の消防署に確認を取ってみてください。
 
 

いかがでしたでしょうか、今日は沖縄で戸建て旅館を営む投資には欠かすことができない、消防法をクリアするための条件についてお伝えしました。
 
沖縄で戸建て旅館を営み投資するためには、「旅館業法」許可を取る必要がありますが、そのためには「消防法」「建築基準法」がクリアしていなければなりません。
 
これから沖縄で旅館投資用の家を建てる場合はもちろんのこと、空き家などを旅館へ転用するケースでも、まずは消防法と建築基準法を確認して、プランを進めると安心です。
 
「建築基準法」については別記事「沖縄で戸建てを旅館へ転用投資☆許可に不可避な建築基準法」でお伝えしていますので、こちらも併せてご参照ください。
 
 

まとめ

戸建て貸切旅館を始める「消防法」要件とは

・部屋の一部のみの民泊では必要がないケースもある
・延床面積300㎡以上であれば自火報設備が必要
・小規模で条件を満たせば、より簡易な自火報で良い
・3階建てで簡易な自火報を設置するなら外階段は2つ以上
・小規模であれば、誘導灯はステッカーでも可
・火災通報装置は500㎡以上の大きな施設で必要
・避難器具は物件や営業状態で違うので消防署に確認する

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