COLUMN琉球アーバンホーム コラム
2020.04.07注文住宅
沖縄で建てる二世帯住宅☆距離感が決まるプランニング
沖縄では二世帯住宅の需要が高いですよね。両親所有の土地に二世帯住宅を建てるパターンの他、子ども世帯の帰沖や子どもの成長をきっかけに、一世帯だった住居を二世帯へ建て替えるパターンも増えました。
初めて親世帯と子ども世帯が沖縄で二世帯住宅に住むのであれば、最初のプランニングは重要です。
育児や家事が協力しやすい完全同居型を選ぶのか…、それぞれの家族のプライバシーが確保される完全分離型を選ぶのか…、沖縄ではその中間の二世帯住宅プランニングも人気があります。
そこで今日は、沖縄で二世帯住宅を建てる時に知っておきたいポイントや、最初に決めておきたい事柄についてお伝えします。
どうぞ、沖縄の家族で二世帯住宅のプランニングをする時の、参考にしてください。
沖縄で建てる二世帯住宅☆
距離感が決まるプランニング
沖縄の二世帯住宅、代表的な3つの種類
二世帯住宅のプランニングで最初に決めておくべき重要なポイントは、「共有範囲」です。この共有範囲によって、二つの世帯の距離感が決まります。
それぞれの世帯で主な家事を担う嫁・姑の関係性で決める世帯が多いですが、この他にも両親が介護を必要としているかどうか…、後々、親世帯が(考えたくはないですが)亡くなった時に売却をするのかどうか…、などまで考えながら決めてください。
【 沖縄の二世帯住宅☆代表的な3つの種類 】
① 完全同居型 … 昔ながらの一戸建てに親世帯・子世帯が暮らす方法です。そのためキッチン・お風呂・トイレ・洗面所など、全てが共有になります。
→ 共有スペースが多い分だけ、その他のスペースが広くなったり、建築費が抑えられるメリットがある一方、それぞれのプライバシーは低いです。
② 完全分離型 … ひとつ屋根の下でありながら、壁で完全に二世帯を区切った二世帯住宅です。そのために「スープの冷めない距離」でのお付き合いが可能で、それぞれに完全にプライベートスペースを確保出来ます。
→ 一方で、マンションの隣同士の関係性のように、自分達で意識をしないとコミュニケーションが希薄になりやすい側面もあります。
③ 部分共有型 … 一部分を共有して、残りの部分は分離する暮らし方で、沖縄の二世帯住宅で多いパターンでは、玄関共有型・玄関+LDK共有型を多く見受けます。
→ 完全同居型と完全分離型、双方のデメリットを緩和することができます。一定のプライベート空間が保たれながら、適度なコミュニケーションを取ることが出来る点がメリットです。
以上が代表的な3つの二世帯住宅の種類です。沖縄の二世帯住宅では完全同居型が多い傾向にありましたが、近年になって、親世帯・子世帯がお互いに費用を出し合って、完全分離型や部分共有型へと建て替えるケースが増えてきました。
完全同居型のメリットとデメリット
それでも沖縄の二世帯住宅で、今でも完全同居型が支持されるのは、お互いの生活が見えやすいために、子育て分担がしやすいメリットが大きいです。
沖縄は全国的にも子どもの出産率が高く、兄弟が3人以上の世帯も少なくありません。大家族になればなるほど、両親や祖父母と言った大人達がツーカーで協力し合うことでストレスが大きく軽減されます。
【 沖縄の二世帯住宅☆完全同居型のメリットデメリット 】
★ もともと大家族で賑やかに暮らすことに抵抗のない夫婦に向いています。親世帯と子世帯の生活時間帯が同じであれば、ストレスも少ないです。
《 メリット 》
・ 大きな家の場合、建て替えやリフォームなしで同居生活を始めることが出来る。
・ 子ども達は多くの大人のなかで、社会性を身に着けることが出来る。
・ 両親と祖父母で子育ての苦労を共有しやすく、協力しやすい。
・ 電気代金やガス代金などのランニングコストも、完全分離型と比較して抑えられる傾向にある。
《 デメリット 》
・ 夫方の家族であれば、家事や料理などの分担や理解が必要です。お互いに理解し合えなければ同居がきっかけで険悪にもなり兼ねません。
・ 妻方の家族であれば、夫の(家族によっては祖父の)居場所がなくなってしまい、夫が家に帰りにくい「帰宅恐怖症」への配慮も必要です。
…プライバシーが最もなくなる完全同居型は、沖縄の二世帯住宅に限らず、入居前の話し合いがポイントになります。
①家事面②経済面③育児面において、境界線を相談して定めてください。
寝室に鍵を設けておくと、ちょっと疲れたりイライラした時に、部屋に籠って一息つくことも出来ますし、「通帳などの書類を紛失した!」などのトラブル時にも、お互いを疑わずに済みます。
部分共有型のメリットとデメリット
沖縄の二世帯住宅では「部分共有型」とひと口に言っても、共有する部分の割合から「どの部分が共有されているか」まで、振り幅が大きいです。
玄関のみ共有されているものの、完全に左右に分かれている沖縄の二世帯住宅も多いですし、お風呂場や洗面所、キッチンまで、水回りが全て共有になっている沖縄の二世帯住宅も見受けます。
この「共有部分」を決めることによって、お互いの距離感を調整できる点も、共有型二世帯住宅の魅力です。
【 沖縄の二世帯住宅☆部分共有型のメリットデメリット 】
★ 部分共有型で快適に暮らすためには、「どこまでは共有できる」のか…、「どこまでがプライベート空間」なのか…、を両方の世帯がハッキリと提示してください。
《 メリット 》
・ 親世帯・子世帯が意見を出し合ってプランニングをすることで、お互いの世帯の価値観や、侵害して欲しくない境界線を知ることが出来る。
・ 双方の世帯でプライベート空間を守りながら、共有部分を持つことによって、建築費などを抑えることが出来る。
・ (親世帯の例として)朝は子育ての協力をしながら、午後は休ませてもらうなど…、適度に付かず離れずの距離感を保つことが出来る。
《 デメリット 》
・ プランニングの時点から、ハッキリとプライベート空間の境界線を提示できないまま同居生活が始まってしまうと、後々までストレスが貯まりやすい。
・ お風呂や洗面台、キッチンなどの水回りを共有した場合、生活時間帯が合わないと、騒音などのストレス問題が起こりやすい。
親世帯と子世帯で生活時間帯が違う二世帯住宅では、お互いのストレスを少しでも軽減できるように、生活音が響かない設計や造りもポイントになります。
完全分離型のメリットとデメリット
全国的にこの10年で安定した人気を保つ二世帯住宅が、完全分離型です。屋根こそひとつ屋根ですが、玄関から水回りまで、完全に分離しています。
ですからマンションの「お隣さん」のような感覚で、正に「スープの冷めない」距離感が魅力です。
ただし両親が後々要介護状態になった場合には、お互いの様子が分かりにくいために、突然の事故にも気付きにくい側面もあります。そのために、完全分離型の二世帯住宅で親が要介護状態になった後、双方の境界だった壁を開けた事例も多いです。
【 沖縄の二世帯住宅☆完全分離型のメリットデメリット 】
《 メリット 》
・ 完全なプライベート空間を保つことが出来る。
・ 親世帯、もしくは子世帯が転勤や引っ越し等々で離れても、賃貸物件として貸し出しがしやすい。
・ 後々、家の売却を考えた時に、完全同居型や部分共有型の二世帯住宅よりも売却しやすい。
・ それぞれの生活環境の変化に合わせたリフォームを気兼ねなく出来る。
・ 相続をする人が2人以上だった場合に、完全同居型や部分共有型よりも分割がしやすい。
《 デメリット 》
・ 完全同居型や部分共有型よりも建築費が割高になりやすい。
・ キッチン、お風呂などをそれぞれに設置するために、リビングなどのその他のスペースが狭くなりやすい。
・ 完全に分離しているために、意識してコミュニケーションを取らないと、親世帯・子世帯が疎遠になりやすい。
沖縄の二世帯住宅でも人気が高まっている完全分離型ですが、プライベートが完全に守られる反面、完全に疎遠になるケースも少なくありません。
全国的には二世帯住宅に住んでいるにも関わらず、孤独死が起きるケースも増えているため、週に1回は訪問するなど、意識的にお互いの世帯がコミュニケーションを取ると良いかもしれません。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄で人気の二世帯住宅について、最初に親世帯・子世帯で決めたい、3つの種類と「距離感」についてお伝えしました。
今沖縄の部分共有型二世帯住宅では、本文中でお伝えしたように、玄関や水回りを共有する世帯が多いですが、最近では庭や屋上部分を共有する事例も増えています。
また、完全分離型や部分共有型の二世帯住宅の場合には、左右で分ける「縦割り」にするのか、上下階で分ける「横割り」にするのかも、親世帯・子世帯で意見を出し合って決めていかなければなりません。
「縦割り」「横割り」についても、重なる部分はありますが別記事「沖縄で建てる二世帯住宅☆最初に決める縦割りと横割り」でもお伝えしていますので、どうぞコチラも参考にしてください。
まとめ
沖縄で建てる二世帯住宅のポイント
・完全同居型、部分共有型、完全分離型の3種類がある
・完全同居型は建築費を抑えやすい
・完全同居型はプライベート空間の確保がポイント
・部分共有型は「境界線」を明瞭にすることがポイント
・屋上の共有など、新しい部分共有スタイルも増えた
・完全分離型はマンションの「お隣さん」感覚
・完全分離型では意識してコミュニケーションを取る
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