COLUMN琉球アーバンホーム コラム
2021.10.07注文住宅
沖縄でローコスト住宅☆建材によるコストの違い(外壁)
沖縄のローコスト住宅を実現するには、凸凹のない設計はもちろん、それぞれの箇所での建材選びがポイントですよね。
ただ高温多湿で塩害も多い沖縄では、ローコスト住宅においても、竣工後の修理・修繕費用、定期的なメンテナンス費用などのランニングコストまで考慮したプランニングが人気です。
そのためには安くて質の良い建材を理解しておくと役立ちます。
そこで今回は、沖縄ローコスト住宅での建材選びのポイントを、特に外壁を中心にお伝えしますので、どうぞ参考にしてください。
沖縄でローコスト住宅☆
建材によるコストの違い(外壁)
外壁は、耐久性とコストバランス
沖縄のローコスト住宅でも建材選びを慎重に進めたい箇所が、外壁です。
もちろん沖縄でローコスト住宅を建てるにしても、外壁は外観に最も影響しますから、あまりに安っぽい壁材では、それだけ安っぽく見えてしまいます。
ただそれだけではなく、全国的にも外気にさらされる外壁は、耐蝕性や対候性のある外壁選びがポイントです。
【 沖縄のローコスト住宅☆外壁選びのポイント 】
★ 全国的な気候と沖縄は大きく違います。沖縄は島国であること、また高温多湿の亜熱帯気候であることを意識して選んでください。そのため、下記のような箇所に注意をして選びます。
(1) 塩害被害 … 島国沖縄では常に海風にさらされやすいため、塩害に弱いガルバリウム鋼板などは海沿いの家には不向きです。
(2) 虫害 … 高温多湿の沖縄ではシロアリ被害に注意をしてください。特に天然木材を利用する場合には、相応のシロアリ対策(※)を取り入れている施工業者を選んでください。
(※)沖縄のシロアリ対策には、シロアリに強い木材(米ヒバなど)の使用や、シロアリを通さない「ベタ基礎パッキン工法」、通気性の高い設計などがあります。
(3) 遮熱対策 … 沖縄の夏は暑く、夕方の日差しが夜まで影響してなかなか寝付けないこともあります。そのため性能の良い断熱材や外壁乾式通気工法用関連資材など、遮熱対策ができる壁材、外壁がポイントです。
ここは外壁とは少し異なりますが、毎年大型台風が訪れる沖縄のローコスト住宅では、台風に強い壁材や工法は、優先順位上位です。
広い開口(窓)を設けた設計などでは、窓のガラスや窓枠まで配慮する必要があります。
【 沖縄のローコスト住宅☆ランニングコストまで配慮 】
★ 外壁は定期的なメンテナンスは不可欠です。この時、壁材によってメンテナンス周期は変わりますので、その分後々のランニングコストや修理・修繕費用が大幅に変化します。
→ それぞれの壁材の平均的なメンテナンス周期を確認して、後々のランニングコストまで比較検討してください。
また沖縄でローコスト住宅を建てるのであれば、メンテナンス周期だけではなく、修理・修繕が発生する可能性も配慮します。
例えばモルタル塗りは防水性が比較的低いため、ひび割れにより腐食が進む可能性が心配です。ひび割れが起きれば、すぐに修理・修繕を施さなくてはなりません。
【 沖縄のローコスト住宅☆接合部分まで配慮 】
★ ここでもうひとつ、サイディングやタイルの外壁を選んだ場合には、壁材の耐久性だけではなく、接合部分(隙間の補強)となるコーキングの耐久性まで配慮してください。
常に外気にさらされる壁材では、壁材の耐久性と比較して、シーリングの劣化が目立ちやすい傾向です。
壁材の種類とコスト目安
沖縄のローコスト住宅では、主にサイディングやガルバリウム鋼板、モルタル塗り、木板、タイル張り(軟式工法)などが利用されています。
沖縄のローコスト住宅では真四角の家に、オシャレな倉庫風のインテリアを楽しむ「インダストリアルデザイン」人気が増加傾向にあるため、インダストリアルデザインに雰囲気が合うガルバリウム鋼板の壁材も人気ですが、前述したように比較的塩害には弱い傾向です。
また一方で、最近の沖縄ローコスト住宅では木材が見直されています。
シロアリ対策などにRC造(鉄筋コンクリート造)が定番だった沖縄ですが、最近になって木造住宅のシロアリ対策がRC造にも匹敵するほど進化しました。
そのうえ沖縄では、木造の方がローコスト住宅を実現しやすいためです。
【 沖縄のローコスト住宅☆壁材の種類とコスト目安 】
(1) サイディング … 5,500円/㎡~
→ 割安ながら耐火性が高く軽量な点が人気の壁材で施工性も高いため、多くの沖縄ローコスト住宅でも用いられます。シーリングの劣化には注意をしてください。(セメント+繊維質)
(2) モルタル塗り … 9,000円/㎡~
→ モルタル塗りは塗装仕上げなので、施工性が高くクラフト的な質感が人気な一方、防水性はやや劣ります。特にひび割れはすぐに修繕を施すつもりで選んでください。(セメント/砂や水)
(3) ガルバリウム鋼板 … 10,000円/㎡~
→ 今、最も注目されるガルバリウム鋼板は、薄くて軽量なうえに耐久性が高い点が魅力ですが、塩害に弱いので沖縄の場合は海岸の家では避けたい壁材です。
(4) 木板 … 10,000円/㎡~
→ 木板、木造住宅は沖縄のローコスト住宅に限らず、一定の需要がある温もりと通気性調湿性が特徴ですが、防火・準防火地域(※)では建築基準法の確認をしてください。
(5) タイル張り(乾式工法) … 15,000円/㎡~
→ 壁材としては割高になるため、沖縄のローコスト住宅ではあまり用いませんが、高級な風合いが魅力です。ただ、施工時は割高になるものの、修理・修繕、メンテナンスなどがほぼ掛かりません。(※2)
(※)防火・準防火地域とは、火災を事前に予防するために都市計画法により定められた地域です。
「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」とされているため、沖縄県では那覇市市街地など、主に建物が密集したエリアになります。
このエリア内で沖縄のローコスト住宅を建てる場合には、建築基準法に基づいた一定の防火性の高い性能が求められ、外壁では不燃性の高い建材がおすすめです。
(※2)タイル張りの場合、下地に接着剤でタイルを貼りつける(引っ掛ける)施行方法がメインになり、後々のシーリング打ち替えなどのメンテナンスコストが掛かりません。
沖縄ローコスト住宅では、木板人気
高温多湿の亜熱帯気候、及び毎年の大型台風や塩害にさらされる沖縄では、先の大戦後にアメリカから大量輸入されたコンクリート造りの平屋が広がりました。
そのまま現代まで「沖縄では木造よりRC造(鉄筋コンクリート)が丈夫」と信じられてきましたが、ここに来て木造住宅の性能が上がり、シロアリ対策や湿気・塩害対策への信頼が高まっています。
沖縄でローコストながら自由に設計したいと考えるなら、木造住宅は融通が利きやすく便利です。そのため沖縄のローコスト住宅に木造を選ぶ方が増えています。
【 沖縄ローコスト住宅☆木造住宅人気 】
★ もともと木材は調湿機能が備わっていますが、近年では通気性の高い設計や工法により、より通気環境を良くして湿気を排出する機能が備わるようになりました。
→ この他、「普通硬化せっこうボート」などの対策により、木造住宅で懸念される耐火性も高めています。
そして沖縄ローコスト住宅として木造住宅が選ばれる理由には、後々の生活の変化によるリフォームがしやすい点も大きいです。
子どもが成人してから二世帯住宅にしたい、など、一生を過ごすマイホームでは将来的な計画を立てている家庭も多いですよね。
このような場合、将来的にもより低コストでリフォームを実現する選択肢が木造住宅です。このように沖縄では、生涯コストまで考慮したローコスト住宅を選ぶ傾向にあります。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で注目されるローコスト住宅について、特に外壁の壁材選びのポイントを、それぞれの壁材のコスト目安や特徴とともにお伝えしました。
沖縄でローコスト住宅を建てるには、まず施工面積を抑えた設計、そしてそれぞれの箇所に利用する建材選びがポイントです。
建材も安ければ良い訳ではなく、比較的安価ながらも後々のメンテナンスや修理・修繕コストが掛からない、耐久性(耐蝕性や耐火性など)の高い、性能とのバランスが求められます。
施工面的を抑えた設計プラン、他の箇所については下記でお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください。
・沖縄で建てるローコスト住宅☆外観でコストはどれ位変わる?
・沖縄でローコスト住宅☆建材によるコストの違い(外構や屋根)
・沖縄でローコスト住宅☆設備によるコストの違い(キッチン浴室)
・沖縄でローコスト住宅☆建材によるコストの違い(開口や内装)
まとめ
沖縄の家、壁材選びのポイント
●壁材選びで配慮する事柄
・塩害
・虫害(シロアリ)
・遮熱※台風対策
●壁材の種類と目安
・サイディング 5,500円/㎡~
・モルタル塗り 9,000円/㎡~
・ガルバリウム鋼板 10,000円/㎡~
・木板 10,000円/㎡~
・タイル張り 15,000円/㎡~●木板、木造のシロアリ・耐火性能が上がった
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