COLUMN琉球アーバンホーム コラム
2019.10.03木造住宅
沖縄で木造住宅はダメ?「実は勘違い」5つの事柄
沖縄では「木造住宅はダメ!」なんて「神話」がありますよね。けれども、戦前は赤瓦に木造の家が多かった沖縄…、昔ながらの家で過ごすと、風も柔らかく、心地よいものです。
沖縄に限らず、「木造住宅はシロアリが沸く」とか、「RC構造に比べると、耐久性が低い」「クーラーが効きにくいから、暮らしにくい」などなど、ネガティブな「神話」が数多くあります。
けれどもよくよく考えると、どこから聞いた話なのか…、実際に検証していない事柄も多いですよね。そこで今日は、沖縄で聞かれる木造住宅の「神話」で勘違いの多い、5つの事柄をお伝えします。
沖縄で木造住宅はダメ?
「実は勘違い」5つの事柄
沖縄で木造住宅が減った理由
沖縄では木造住宅よりもコンクリート造の家が目立ちますよね。近年になり木造住宅が増えてきましたが、それでもRC構造(鉄筋コンクリート造)などが人気だと言われます。
これは戦後の沖縄で、木造住宅よりもコンクリート造が耐火性・耐震性に優れ、耐久年数も長いと言われてきたためですが、実は戦後ならではの事情もありました。
【 沖縄で木造住宅が減った理由とは 】
★ 戦後、焼野原になった沖縄では、多くの家を建てるほどの充分な木材が残されておらず、コンクリート造へと移行しています。
・ また、アメリカの統制下にあった沖縄では、木造住宅に「2×4(ツーバイフォー)」と呼ばれる欧米式の木造構造を採用したためです。
この「2×4(ツーバイフォー)」と呼ばれる建築構造は、「2×4インチ」の角材を用いた方法なのですが、木材の少ない当時の沖縄では、そもそも素材も良いものではなかったために、台風に脆い家でした。
この家を当時の沖縄では「規格屋(きかくやー)」などと呼びましたが、この家々での経験によって、「沖縄では木造住宅は脆い」と言う「神話」が出来てしまったのです(*^_^*)
沖縄の木造住宅「耐久年数が短い」って本当?
確かにこの「規格屋(きかくやー)」の沖縄の木造住宅は、非常に脆く、云わば応急処置でした。
けれども本来の良い木材と技術で建てられた木造住宅は、耐久年数は他の構造にも劣りません。思えば、神社仏閣をはじめとする遺産も、木造ですよね。
沖縄の木造住宅と言えば「中村家」が有名です。国の指定文化財になっている中村家は何と築200年!
…ではなぜ、沖縄で「木造住宅の耐久年数が短い」と思われているのでしょうか。
【 沖縄の木造住宅は「耐久年数が短い」? 】
★ 耐久年数の比較でよく用いられる数字が、国定資産税の計算です。ここでは鉄骨やRC構造住宅の耐久年数が47年であるのに対し、沖縄の木造住宅は22年とされています。
…ただ、固定資産税の計算上ですから、単純に沖縄で木造住宅の建て替え時期が早かったため…、とも取れますよね。木造住宅のメリットのひとつとして、「立て替えや増築がしやすい」点があるからです。
確かに、沖縄の木造住宅全てが他の構造と比較しても負けず劣らず…、とは限りません。特に昔は技術の問題で耐久性は格段に低い現状もありました。
けれども現代では技術の発達や新たな工法によって、シロアリ対策も取られるようになるなど、昔とは耐久性が格段に上がっています。
また、前述した中村家がそうであるように、沖縄の木造住宅でも杉が強いであるとか、木材の内容によっても耐久性が格段に変わります。
【 沖縄の木造住宅を長持ちさせるポイント 】
★ 沖縄の木造住宅のメリットは、木材と言う素材の自由度です。そのために増築や改築、建て替えがしやすくなります。
… そのため、沖縄で木造住宅を長持ちさせるポイントは、こまめなメンテナンスです。早期に不具合を発見・修繕することで、丁寧に暮らし、長持ちさせてみてはいかがでしょうか。
マイホーム建築を依頼した業者と相談しながら、当初から定期的なメンテナンスを行うと、より安心・丁寧に暮らし、長持ちさせることができます。
沖縄の木造住宅のメリット・デメリットと対策については、別記事「沖縄で建てる木造住宅☆そのメリットとデメリット」でもお伝えしていますので、コチラもぜひ、参考にしてください。
また、沖縄の木造住宅の工法についても詳しく説明しています。「沖縄の木造住宅☆最初に決めたい2種類の住宅構造」も併せて読んでみてはいかがでしょうか(*^_^*)
沖縄の木造住宅は「湿気に弱い」?
「高温多湿」と言われる沖縄では、湿気に気を配る方々が少なくありません。そんななか、「沖縄では木造住宅は湿気に弱いため向いていない」などの声もチラホラ聞こえます。
【 沖縄の木造住宅で、快適な暮らし 】
★ 確かに気密性の高いRC構造は、クーラーが効きやすいなどのメリットがありますが、木材では「適度な湿度調節」機能が魅力です。
・ 現代の沖縄木造住宅では、この湿気対策として、風通しの良い底上げを採用している家が多くなりました。これにより、湿気がこもらない家が実現します。
ちなみに「家が湿気っぽくならない?」などの不安も聞こえますが、もともと木材は湿気を吸い取る機能があるからこそ、「湿気に弱い」とされてきました。
けれども、これは木材特有の「湿度調節機能」でもあり、湿度が高いと湿気を吸い込み、反対に乾燥してくると取り込んだ湿気を吐き出します。
そのため人の感度としては、「丁度良い湿度」で快適に暮らすことができる点もメリットです。
★ この湿気調節機能により、ダニカビなどの細菌も繁殖しにくくなりますし、心配の多いシロアリ対策も取られるようになりました。
RC構造よりも暮らしにくい?
なかには「RC構造やコンクリート打ちっぱなしの家は、ヒンヤリ涼しい」などと言う方もいますが、実は沖縄でも木造住宅で快適に過ごすことができます。
前述したように気密性の高いRC構造やコンクリート造では、クーラーなどが効きやすいメリットがある一方、熱がこもりやすい側面もありますよね。
【 沖縄でも木造住宅は快適 】
★ 実は木材には熱を通しにくい特徴があります。しかも前述したように、木材の湿度調節機能により、体感としてもサラッと過ごすことができます。
・ マイホーム購入を検討していると、家の見学も行きますよね。この時、沖縄で木造住宅に入った瞬間、ひんやりと感じることはないでしょうか。
…これは木材の熱を通しにくい特徴が生かされているからです。窓を開けて風通しを良くするだけで、何なく過ごせる季節も長くなり、電気代も節約できるかもしれません。
木造だけに、火災に弱い?
江戸時代に火事が火事を読んで大火事に…、なんて話を聞いていると、「木造住宅は火に弱い!」との思い込みも多く聞こえていました。
確かに木は燃えやすい素材ですが、大きな柱などの木材は火の伝導が伝わりにくく、骨組みを長く保つことができる側面もあります。
【 沖縄の木材住宅の耐火性 】
★ 一方、鉄構造は確かに燃えにくい点に安心感がありますが、一方で熱伝導が早い側面にも注意が必要です。
・ 鉄が高温になると、燃えにくくとも折れたり、曲がってしまう可能性があり、家の骨組みから崩れてしまう危険性が伴います。
また近年の木造住宅では、例えば燃えにくいコンクリートやグラスウールなどと合わせた、防耐火性を供える素材も見られるようになりました。
その上沖縄の木造住宅のなかでも、その構造や工法によっても耐火性が大きく変化するために、一概には「木造は火災に弱い」とは言えません。
別記事「沖縄で木造住宅に住む魅力☆コンクリート造の勘違い」などでも、詳しくお伝えしています。
いかがでしたでしょうか、今日は勘違いされやすい沖縄の木造住宅の「神話」についてお伝えしました。
沖縄に限らず「木造住宅はシロアリが心配!」「耐火性が弱いのではないか…」などなどの「神話」は、全国的にも広がっています。
これは確かに、工法や技術が発達していないひと昔前であれば、脆い側面があったことは否めません。けれども現在はその対策がどんどん発達しています。
けれども、そんな「神話」が広がる現代でも、全国的には木造住宅を建てる人々が圧倒的に多い(80%を超えています)点は注目したいポイントですよね。
他の住宅構造よりも「ローコストで理想のマイホームが実現する」点が何よりですが、その他にも温かみや木材の香りの癒し効果、日本人が感じる、昔ながらの安心感もあるのかもしれません。
まとめ
木造住宅に多い「勘違い」とは
・戦後木材が減りコンクリート造が増えた
・耐久年数は単純に立て替えも多いとも取れる
・木造住宅は立て替えがしやすい
・こまめなメンテナンスで耐久年数は上がる
・現代は木造のシロアリ対策もできる
・木材には湿度調節機能がある
・広い断面の木材は耐火性も優れる
・現代は防耐火性に優れた木材も開発されている
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