COLUMN琉球アーバンホーム コラム
2021.08.25注文住宅
沖縄でバリアフリー住宅を建てる☆プランニング3つのポイント
沖縄ではバリアフリー住宅のニーズが高いですよね。二世帯住宅が多い他、リタイア後に本州から移住するシニア夫婦が多いことも、背景のひとつです。
なかにはまだ現実的にバリアフリーの必要性がないものの、将来も暮らしやすい住まいとして、沖縄ではバリアフリー住宅を検討する家庭も少なくありません。
ただこのようなケースでは、現実的なプランニングではないために見落としも起きて、結果的に後々リフォームを余儀なくされる事例も多くあります。
今回は、沖縄で満足できるバリアフリー住宅を建てるためのプランニングのポイントを3つお伝えします。どうぞ参考にしてください。
沖縄でバリアフリー住宅を建てる☆
プランニング3つのポイント
沖縄のバリアフリー、3つの要素
二世帯住宅になると沖縄では、バリアフリーまで考慮したプランが求められますが、メインでプランニングに参加する建築主は子ども世帯が多く、まだ20代・30代の若い世代も少なくありません。
もちろんできるだけ高齢になった時の暮らしを想定してプランニングをしますが、快適な暮らし以前の、命を守る大きな要素としては下記の要素があります。
【 沖縄でバリアフリー住宅プラン☆命を守る3つの要素 】
(1) 段差をなくす
→ バリアフリーでは小さい段差まで徹底的になくすよう、プランニングを進めます。そのため、床を上げてワンフロアにした設計が多く、エンドスロープやバリアフリーレールなど、段差を解消する部材を利用する住宅は多いです。
(2) 温度差をなくす
→ 高齢者が注意をしたいのがヒートショックを予防するためには、室内の温度差を極力なくす必要があります。
気密性/断熱性の高い家は室内の温度差が少なく、沖縄ではバリアフリー住宅の条件を満たしますが、さらに冷暖房設備や換気設備を強化して湿度差を少なくしてください。
(3) 転倒要素を徹底的に排除する
→ 高齢になると一度の転倒がきっかけで歩けなくなり、一気に足腰が悪くなったり、病気を発症してしまうケースがあります。そのため、少しの段差でも段差解消スロープを用いて、日常の生活面での転倒要素を排除してください。
※ 特に手すりは暮らしのあらゆる場面で役立ちます。トイレ・浴室・廊下は必須です。
沖縄のバリアフリー住宅では段差をなくすだけではなく、少しでも段差がある部分において見やすく分かりやすい工夫を施した家も増えました。
例えば、段差を解消する部材の色をカラフルにして見やすくして転倒を防いだり、夜の移動でも見えやすいよう、足元にフットランプを備えるプランも人気です。
温度差と湿度差に考慮した沖縄のバリアフリー住宅は、そのまま、沖縄では悩ましいカビやダニの発生を抑える家にもなります。そのため掃除などの手間もより少なくなり、高齢者に余計な負担を掛けずに済みます。
見落としがちな「視界のバリアフリー」
まだ若いと見落としがちなのですが、高齢になると足腰だけではなく、老眼でも分かるように「眼」も弱くなる方々が多いです。
老眼は近い小さな文字が読みにくくなりますが、それだけではなく目の疲れや明るい場所から暗い場所など、明るさが極端に違う部屋へ急に移動した時にも配慮をすると良いでしょう。
【 沖縄でバリアフリー住宅☆照明プラン 】
●あまりキツイ照明を避け、柔らかくまとめる。
●明るいスペース→暗いスペースと急激な明るさの変化を避け、極力同じ明るさで統一する。
●キッチンや勉強場所など、作業スペースは明るい照明を配置する。
●壁面照度は明るく保つ。
前項でもお伝えしましたが、転倒防止に配慮するには夜もできるだけ暗闇のない照明プランが必要です。
ずっと明るいままでは電気代も高くなるので、人感センサー機能の付いた照明を利用することをおすすめします。足元を照らす人感センサーの他、玄関や廊下などにも採用すると安心です。
サニタリースペースの沖縄バリアフリー住宅
それでは沖縄のバリアフリー住宅のスペース別プランをお伝えします。平屋や二世帯住宅であれば沖縄では1階部分がバリアフリーとする戸建て住宅が多いです。
いずれにしても日常の暮らしを想定した「生活導線」を中心に、一日で頻繁に利用するダイニング、また水回りで転倒リスクも高いトイレ・お風呂を優先的にプランニングをしましょう。
【 沖縄でバリアフリー住宅☆サニタリースペースプラン例 】
★ トイレ/浴室/洗面室 … 使用頻度の高い水回りは段差のないひとつの大きなスペースでまとめる間取りが便利です。また、寝室との距離はできるだけ短くしてください。
・ トイレ → 夜中のトイレ使用も多くなるので寝室との距離を短くし、足元センサーライトなど、見えやすい通路にして転倒リスクを極力防ぐ工夫が必要です。
手すりも設置し、介護人が入るスペースを確保します。
・ 浴室 → 浴室も介護人が一緒に入るスペース確保が必要ですが、特に入り口を広く取るよう、意識をしてください。
和式浴槽は浴槽が深く高齢者には事故リスクが高まるので、浴槽の浅い和洋折衷式浴槽を選びます。
※ 浴室でも手すりは転倒防止に不可欠です。脱衣所と浴室への移動で段差のない造りにし、冷暖房設備を整えてヒートショックを防ぎます。
・ 洗面室 → 洗面台は車椅子でも利用できる想定でプランニングを進めてください。そのため、洗面台は車椅子が入り作業ができる、薄型タイプがベターです。
水回りとなるサニタリースペースは、滑って転倒しないよう、床材を滑りにくい素材にします。
寝室からサニタリースペースへ続く廊下に限らず、廊下全体は車椅子移動を想定した広い廊下幅として、最低でも85cmの確保が必要です。
ちょっとした傷やへこみも車椅子生活には影響するため、床材は強度が高いものを選んでください。
キッチン/玄関の沖縄バリアフリー住宅
サニタリースペースと廊下幅が沖縄バリアフリー住宅の最も優先的に注意したい箇所ですが、この他にも段差が激しい、濡れやすい場所には配慮をします。
特に段差が多いエリアは玄関、濡れやすいエリアはキッチンとなり、特にキッチンは料理をしますのでリスクを軽減する配慮が必要です。
【 沖縄でバリアフリー住宅☆キッチン/玄関 】
(1) キッチン … サニタリースペース同様、水に濡れても滑りにくい床材を使用します。
※ 車椅子生活を想定し、車椅子を入れて調理ができるシンクやコンロを選ぶとともに、食器棚への配慮も不可欠です。今ではリモコンで動く食器棚なども販売されているので、検討してはいかがでしょうか。
(2) 玄関 … 出入りで必ず利用する玄関の段差はできるだけ低いに越したことはありません。一般的に沖縄では11cm以下がバリアフリーとされます。
※ 意外に事故が多いポイントがドアの開け閉めです。引き戸はより安心ですが、扉式ではドアクローザーで開け閉めの早さを調整してください。
外部のたたきなどは近年、「段差解消機」を取り付ける方法もリフォーム案件などで増えています。
玄関部分にも手すりを付ける他、靴の脱ぎ掃きや休憩に利用できるよう、小さなベンチを配置すると便利です。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄でバリアフリー住宅を建てるためのプランニングポイントをいくつかお伝えしました。
沖縄でのバリアフリー住宅プランニングの要点は3つ、①段差の解消、②転倒予防、③温度差の解消、です。
間取りとして段差解消や転倒予防を中心にお伝えしてきましたが、予算のある限りは温度差解消のための冷暖房/換気設備を整えるよう、特にヒートショックリスクの高いサニタリースペースを中心にプランニングをしてください。
車椅子を想定したプランニングとは言え、高齢になればなるほど足が(自分で思っているほど)上がっていないことが多いです。足が充分に上がっていないためにつまづき、転倒する事故も少なくありません。
また転倒時に頭などがぶつかることを避けるためにも、ごちゃごちゃしない広いスペースを取ることがポイントです。
シニア世帯にも嬉しいホームセキュリティーや、防犯についての記事も役立ちます。併せてご参照ください。
・沖縄でホームセキュリティー☆システムと賢い選び方
・沖縄の家は狙われやすい?行き届いた防犯設備のポイント
まとめ
バリアフリー住宅のポイント
・段差をなくす
・温度差をなくす
・転倒要素を徹底的に排除する
・視覚のバリアフリーも考慮する
・トイレは寝室に近い場所に
・バス/トイレ/洗面台はワンスペース
・廊下は広く
・玄関の段差に配慮
カテゴリ
最近の投稿
- 【沖縄の注文住宅】組み合わせで違う☆建具や造作材の色選び2021.12.26
- 【沖縄の注文住宅】子どもが喜ぶ家☆参考になる3つのアイデア2021.12.25
- 【沖縄の注文住宅】内装と調和したおしゃれな家具選びのポイント2021.12.19